6月30日(2011年)から営業運行を開始した中国新幹線。時速300キロで走行し、北京と上海間を4時間強で結ぶ。ところが、開業前から国際的な特許問題が起きている。
青木源太リポーターは「中国は日本やアメリカ、ロシアなどの技術をもとに独自に開発したとして、特許申請をしようとしています。申請すれば、米国や日本との特許紛争になる可能性があります」と伝えた。
「はやて」をベースに完成
中国の新幹線開発のベースとなっているのは、「日本が供与した新幹線『はやて』。2004年から川崎重工業が中国の鉄道高速化プロジェクトに参加して、その技術をもとにして今回の中国版新幹線が誕生しました」(青木)
ところが、中国側は「ベースとなっているのは日本の技術だが、その後われわれは独自の開発を行って高速車両を完成させた。従って、中国独自の技術開発で特許を取得する権利がある」と主張している。
「日本から中国への新幹線技術供与は、あくまでも中国国内だけの利用が条件でした。でも、中国は車両輸出を狙って特許取得に動いている」(青木)と報告した。
違いは営業スピードだけ
司会の加藤浩次「何を根拠に独自技術だと主張しているのかな」青木「ひと言で言えば、営業スピードの差です。『はやて』は最速280キロ。中国は300キロ。日本よりも速いから独自のものだというわけなのです」
加藤は「日本が教えた技術で、スピードが違うからと言うだけで特許が申請できるものなのか」と首をひねる。弁護士の八代英輝は「スピードの差だけで特許を収得するのは難しいと思う。ただ、技術供与をするとき、日本側と中国側の契約内容がどのようなものであったのかが問題。一つの技術をベースに新しい技術が生まれるというのは、開発の世界では当たり前のこと。そこまで見越して、きちんとした契約をしていたのか疑問が残る」と解説した。
軒を貸して母屋を取られるなんてことを平気でやる中国だが、米国やロシアも特許申請を認めないだろう。