政府が新たに作った「特定避難勧奨地点」に、福島県伊達市の住民から怒り、困惑、絶望の声が上がっている。特定避難勧奨地点とは、1年間の積算放射線量が20ミリシーベルトを超えると推定されるホットスポットをいう。
原則として国の支援を受けられるのは、勧奨地点の指定された世帯で、実際に避難をした世帯だけ。避難するかどうかは住民が決め、避難しなければ国の支援は受けられない。また、勧奨地点に指定されていないと、避難を希望しても国の支援は受けられない。
福島・伊達市の2町113世帯
支援金をケチったとしか思えないのだが、今回、勧奨地点に指定されたのは、伊達市月舘町相葭地区6世帯と霊山町の上小国地区32世帯、下小国地区54世帯、石田地区21世帯の計113世帯。政府は、1軒ごとに調査した結果、毎時3・2マイクロシーベルト以上を観測した世帯と、その近くの世帯に避難を進める勧奨地点に指定したという。
福島原発から風で送られてくる放射能物質は、降雨や風向きなど気象条件によって日々異なるだろうし、観測した場所によっても違うだろう。果たして世帯ごとにホットスポットを選別できるのかどうか。
不安を感じた市内の保護者は子どもを車で学校に送迎したり、夏だというのに、全員がマスクや長袖のシャツ、長ズボンを着用して登校している。
司会のみのもんた「これ冬の映像じゃないんです。昨日写した映像ですよ」
急性白血病の治療を終えて2年ぶりに復帰した浅野史郎(元宮城県知事)も、「住んでいる人たちには大迷惑な話。勧奨といっているが、避難するなら避難しなさい、したくないならしなくていいよというのは、一番困っちゃう」と、政府のやり方に疑問を呈した。
忘れたころに出してくる放射能汚染対象地区の拡大、しかも補償がだんだん細くなっている。不公平だと住民が怒るのも当然だろう。