辞める総理が「次の選挙はこれ!」の異様-退陣要求に解散の脅し

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   大荒れになった28日(2011年6月)の民主党両院議員総会。自民党の浜田和幸参院議員を復興担当の政務官に起用したことで収拾がつかなくなった。

「花道は人が作るもの。自分で作るものじゃない」(原口前総務相)
「辞める総理に質問できない」
「これ(一本釣り)をやったら、自民党はもう聞く耳をもたない」
「一本釣りのエサは何なんだ。ポストと金か」(川上義博参院議員)

   引き抜かれた自民党は「人の道にはずれた卑しい行為だ」(石原幹事長)、「自民党に手を突っ込んで、何のメリットがあるのか」(逢沢国対委員長)とののしり、民主党内からも「与野党交渉のハードルを高くした」(玄蕃国家戦略担当相)、「正面玄関に立って頭をさげるのが筋ではないか」(野田財務相)と不満が相次いだ。しかし、菅首相はカエルの面になんとかだ。

エネルギー政策で国政選挙

   両院議員総会で菅は、第2次補正予算、特例公債法案、再生可能エネルギー促進法案の成立が退陣の「一定のめど」と繰り返したが、やっぱり時期については触れず、逆に「エネルギー政策をどのような方向にもっていくかは、多分、次期国政選挙でも最大の争点になるのではないか」と脅しをかけた。

   これにはみな驚いた。「辞める総理が次の選挙の争点に触れた。これは異常なこと。解散するかもしれないと恐怖感を与えている」(田崎史郎・時事通信解説委員)と、一様に早期退陣へのけん制だという。質問に答えずに退席する菅に、「逃げるのかー」と罵声が飛んだが、菅はまったく無表情だった。

   「とくダネ!」は渦中の浜田参院議員に聞いた。浜田は「自民党から参院議員を一本釣りしたなことを騒いでいる時間があったら、被災地に気持ちを向けてほしい」としれっと言う。「エサとポスト」については、「あとどれくらい菅政権の寿命があるのか、沈みゆく泥舟になんで飛び乗るんですか。そういうことを言う人の肝っ玉の小ささ、想像力のなさ。同じ国会議員として恥ずかしい」と一刀両断。これまた相当なタマだ。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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