定期点検で止まっている佐賀県玄海町の九州電力玄海原発2、3号機。岸本英雄町長が再開容認の意向を固めたことから、「佐賀を再開の突破口に」と経産省が26日(2011年6月)、県民への説明会を開いた。
出席した県民は政府が選んだ7人に限定、場所も非公開という厳戒態勢のなかで、地元のCATVが「説明番組」と称して中継を行った。
司会のみのもんたは「100%安全がない間はやっちゃダメというのが僕の持論なんだ」と吠えながら、1つの記事を紹介した。
「電気料金上がってもいいのか!」
みのが取り上げたのは「電気料金18%上昇も』」という日本経済新聞(6月27付朝刊)の記事。財団法人・日本エネルギー経済研究所の試算をまとめたもので、現在稼働中の19基の原発も定期点検などですべて停止した場合、石油や液化天然ガス(LNG)などの調達額が2012年度に3兆5000億円増え、家庭の電気料金は18%上昇、月額1000円の負担増になるという。
これにコメンテーターの池田健三郎(日銀出身の経済評論家)が噛みついた。
「これまで原発は安いと宣伝されてきた。化石燃料にシフトし脱原発ということになると、こういうふうに上がりますよという報道が出て、いいんですかとなる。
原発全体のコストは発電にかかるコストだけでない。事故が起きれば補償もしなくてはいけないし、莫大なコストなんです、本当は。最終的な(燃料の)処理費用も含めたらそんなに割安ではないのではないか。むしろ高いんじゃないかという議論も出ている。
情報が開示されていないから計算ができないんです。冷静にこういう数字は受け止めないと」
独占・発送電一体で世界でも電気料金バカ高
さらに、池田は地域独占で競争原理が働かない電力会社の体質にも触れた。
「もともと電気料金は韓国の3倍ですよ。なぜそんなに高いのか。世界的に見て、電力会社の体質とか、改善の余地があるんじゃないかという話がある。そこも考えないと」
原発は安いという官のまやかしがようやく問題にされ始めた感じがするが、官に対し自然エネルギー推進を唱える菅首相がどこまで本気かが分からない。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト