前田兄弟「シナリオ見せない演技」もっと見たい…自然な会話としぐさ

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多すぎるエピソードの羅列で散漫な印象

   九州新幹線の全面開通を記念して、JR九州とJR東日本企画が企画した映画である。是枝監督が鉄道好きということもあり、メガホンをとることとなった。いわゆる企画モノの映画にしては、それほどの制約はなかったようで、無理にPRに繋げているといった印象はなく好感をもてる。

   主演の前田兄弟含む子どもたちの演技がとくに光っている。どんな奇跡が起こって欲しいかを話し合うシーンは、子どもたちのありのままの姿を切り取ったようにリアルな言葉、仕草だ。「誰も知らない」でも用いられた、子役にはシナリオを見せないという演出法が成功している。

   前田兄弟の演技が光っているということもあるが、映画の構成としても奇跡を願う兄弟の姿をもっと見たかった。友人や家族、さらに周りの人々のエピソードの羅列は、せっかくのテーマをぼやけさせてしまった印象だ。映画の中で、かるかんという鹿児島の菓子が出てくる。その味を航一は「ぼんやりした味やなぁ」と言う。まさに映画全体もそんな感じ。ただ、この「ぼんやり」を「ほんのり」といって好むかは、かるかん同様、それぞれなのかもしれない。

野崎芳史

おススメ度☆☆

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