<奇跡>「誰も知らない」「空気人形」の是枝裕和監督の最新作は、人気芸人「まえだまえだ」の2人を主演に迎えた心温まる作品。代表作「歩いても歩いても」のキャストが再結集し、脇を固めた豪華俳優陣にも注目だ。
開通一番列車がすれ違うとき奇跡は起こるか
鹿児島の小学校に通う6年生の航一は、親の離婚が原因で家族4人が離れ離れになっていることを寂しく思っていた。航一(前田航基)は母親の地元の鹿児島で母と祖父母と暮らし、仲の良い弟龍之介(前田旺志郎)は福岡で父と2人暮らしをしている。
半年ほどその生活が続いたころ、航一はある噂を耳にする。九州新幹線開通の日、博多から南下する「つばめ」と鹿児島から北上する「さくら」のそれぞれ一番列車がすれ違うとき、奇跡が起こる。
航一は噂を信じ、奇跡を起こすために、友だちと列車がすれ違う熊本までの旅を計画する。航一の願いはもちろん家族4人でまた一緒に暮らすこと。しかし、母と父との争いに懲りていた龍之介は、そんな奇跡は望んでいなかった。
兄弟やその家族、友人、それぞれの願うそれぞれの奇跡。映画のクライマックスで一番列車がすれ違うとき、奇跡は起こるのか。