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「週刊ポスト」原発煽りやらない潔さ…でもSEX記事に16ページいらない

   次に、今週の「週刊ポスト」の誌面を取り上げて、考えてみたい。目次を見ると、右には「16ページ保存版『永遠の謎』を科学する イク!瞬間」、左には「上杉隆×長谷川幸洋東京新聞・中日新聞論説副主幹 さらば『原発記者クラブ』」がある。その他で目につくところでは、ゴルフの片山晋呉が女性問題で奥さんと揉めて離婚問題が起きているという記事。松井秀喜が阪神へ移籍するという情報があるという記事。お得意の提言特集は「今こそ第1回国民投票で総理を決めろ」。東京電力が失墜している中で、「東京ガスの逆襲」があるという特集。少し変わったところでは「本に生かされた人々の記憶『復興の書店』第2回 移動書店の人々」がある。この20本近い記事の中に、「週刊現代」などがメインに据えている放射能汚染の記事は1本もない。ちなみに、現代の大特集は「日本全国隠された『放射能汚染』地域」。その他にも、「玄海原発は爆発する」「私は放射能から逃げない」などずらりと並んでいる。

   放射能の恐怖を徒に煽る記事づくりをよしとしない編集方針が、ポストには貫かれている。放射能が大変だ大変だという記事のほうが、営業的にはいいことがわかっているにもかかわらず、敢えて、安易な道を取らないのはさすがだとは思う。とはいえ、「なぜアメリカ人は『COME=来る』といい、日本人は『イク』というのか」を含めた「SEXサイエンス・レポート」に16ページも割く重要性があるのだろうか。

   大新聞やテレビの原発報道が横並びの大本営発表だという批判記事は、私もその通りだと思うし、やる意義もある。ポストや新潮のように、今の1ミリシーベルト/年間や20ミリシーベルト/年間程度の放射能線量で心配することはないという報道があってもいいはずである。なにしろ、どこまでが安全で、どこからが体に影響があるのか、まだ判然としない。1ミリシーベルト/年間でも体への深刻な影響があるといわれれば、そうかもしれないと考え込んでしまうのが、大半の国民なのだ。

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