日本のスーパーコンピューターが7年ぶりに世界一を奪還した。理化学研究所と富士通が共同開発した「京」(兆の1万倍)だ。
「2位じゃダメなんですか」
3年前の事業仕分けで蓮舫行政刷新担当相がこう追及したが、「ダメなんです」と井上貴博アナがその理由をまとめてみせた。
トップ奪還の経済効果3・4兆円
世界最高速コンピューターの開発プロジェクトの予算は1120億円と巨額だが、地震や津波の予測から新薬開発などにも使われ、宇宙の起源まで解析できる。その経済効果は3・4兆円が見込めるという。
では、なぜ1位でないとダメなのか。理研計算科学研究機構の平尾機構長によると、「原則として、世界一のスパコンを使用できるのは開発した国の企業や団体だけで、国際競争力強化につながるため世界一にこだわる」のだという。
ライバルの登場も激しく、1990年代は日本がリードしていたが、2000年代に入って米国が逆転、最近は中国やインドが台頭し、10年には中国の「天河1号」が世界一に躍り出た。
蓮舫行政刷新担当相「あのコメントは…」
世界一奪還について、蓮舫は「関係者の努力に敬意を表したい」としながら、「あのコメントはメディアが勝手に短い部分を流した。真意が伝わっていない」と、舌足らずを棚に上げてメディア批判。学者の間では「今回の世界一はある意味で蓮舫さんのおかげ」と皮肉る声もあがっている。
スタジオでは、世界1のスパコンに「政治の動きをシミュレーションしてほしいですね」(若狭勝弁護士)、「津波の予測で最大リスクを減じるなど、1位の力を発揮して欲しいですよ」(週刊エコノミストの内野雅一編集長)という要望が相次いだ