「モヒカンが最も似合わない日本人ですね」
コメンテーターのロバート・キャンベル(東大教授)が、穏やかな口調ながら皮肉たっぷりにこき下ろした。旧ライブドアの堀江貴文元社長(38)のことだ。懲役に服するため、6月20日(2011年)に東京高検に「モヒカン刈り」で出頭した。前日にツイッターなどで出頭を告知したり、出頭までの一部始終をネットで生中継したりするなど、刑務所に行くことをまるでショーのように演出して見せたが、「スッキリ!!」の評判は芳しくなかった。
心理学の不安解消行動
IT事業でのし上がって時代の寵児としてもてはやされ、テレビ局の買収騒ぎや総選挙に立候補するなど話題を集めたが、粉飾決算事件で証券取引法違反に問われ懲役2年6カ月の実刑が確定した。前宣伝のせいか、東京高検前には報道陣ら約300人が押し寄せ大変な騒ぎとなった。
キャスターのテリー伊藤が開口一番「とんでもない映像。朝から見たくない映像だった」
司会の加藤浩次「ショーアップしている、ということなんでしょうね」
テリー「気が弱いんだなあと思った。盛り上げることによって、心の不安を隠そうとしたように見えた」
精神科医の香山リカは専門家の立場から、「心理学的にいうと、不安解消行動。刑務所にいく不安や恐怖を隠そうとして馬鹿騒ぎや高笑いをする。痛々しい感じがした」と分析した。
ロバート・キャンベルはTシャツに書かれた「GO TO JAIL(刑務所)」を問題にした。
「他の人も刑務所へ行けと言っている。悪いのは自分だけはないということだ。そうではなく、自分のやったことは全部自分で引き受けてほしい」
この騒動を苦々しく見ていた人は他にもいる。ライブドアに損害賠償請求をしている原告団の1人は、「同情を得るか、ウケをねらうか、そうとしか見えない。腹立たしいの一言」と吐き捨てた。
堀江は「人生をリセットして帰ってきたい」と話していたが、2年と数か月後どんな顔で帰ってくるのか。