延命なのか、それとも俺がやるしかないと思っているのか…。菅首相は今度は辞任の条件に再生可能エネルギー促進法案を持ち出してきた。特例公債法案、次に2次補正予算の編成と条件を小出しにするため、迷走国会は会期の延長幅も決まらない。
政局の主導権握った首相
20日(2011年6月)午後8時過ぎ、首相公邸に民主党執行部の面々が集まった。会期延長や首相辞任の時期を詰める協議を行ったらしいが、2時間後、協議を終えて出てきた枝野官房長官は、「結論は出たか」と問われ、「円滑な会期延長ができるように…」とハッキリしない。「辞任時期については?」にも、「いや、今の話がすべてです」
野党や身内からの四面楚歌のなかで、菅のこの粘りには驚嘆するが、先週15日に開かれた「再生可能エネルギー促進法成立緊急集会」で、笑いながら次のように挨拶し、Vサインを出したのには驚いた。
「菅の顔だけは見たくないという人も結構いるんですよ。本当に見たくないのか、本当に見たくないのか、本当に見たくないのか。それなら早いとこ、この法案を通した方がいい」
19日に行われた「インターネットで国民対話」でも、「実は、私にとって2つのキーワードがある。諦めないということと参加民主主義です」と話し始めた。
小泉進次郞「民主党は菅さん信任」
最近はその粘り強さを援護する声も出てきた。国民新党の亀井静香代表は「国家国民のために何をやるか。もう怖いものは何もない総理なんですから」と言い、自民党の小泉進次郞衆院議員も「菅さんのこと信任したのは民主党なんですよ。その民主党が菅さんを引きずり降ろそうとやっていること自体ナンセンス」と菅援護。
司会のみのもんた「この法案とこの法案、箇条書きにしてこれとこれをやろうと。やった後に辞表を出す。分かりやすくていい」
スポーツプロデューサーの三屋裕子も「誰に決めるかより、何を決めるか。国会議員は法案を通すのが仕事ですから通年国会でもいい。どんどん法案を通して復興を1日でも早く成し遂げてほしい」と話す。
菅首相の粘り勝ちか…。だんだん援護の声が膨らんできたような感じがするが、国民はいつまでも「辞めろ」「辞めさせろ」ばかりの永田町を見放し始めているのだ。