高速道路の土・休日1000円や無料化実験が打ち切られ、被災地の高速道路料金が被災者に限り無料になった。復興財源捻出と被災者支援。どのくらいの効果が期待できるのか。被災地自治体では、無料化が決まって以降、証明書の申請が急増し、本来の復興業務に支障が出かねないという。デメリットを強調する被災地の声も少なくない。
宮城・松島、福島・会津若松から不満
「これから本番と考えていた。その矢先に休日1000円廃止。これでは経済的に回転しない」
こう嘆くのは宮城・松島巡り観光船組合の伊藤章理事長。会津若松市では鶴ヶ城を赤瓦にリニューアルし、市の観光物産協会はあらためて観光客を呼び込もうとしていたが、「原発の風評のマイナスのところへ1000円廃止ではダブルパンチ。ものすごい影響は大きいと思う」と話す。
通行無料には被災証明書と運転免許証の提示が必要だが、発行基準が自治体によってバラバラ。家屋や家財に損壊を受けた世帯を被災者とみなす自治体、停電や断水だけで被災者とみなす自治体など、まったく統一されていない。18日(2011年6月)にはインターネットオークションに、いわき市発行の「被災者証明書」が売りに出された。
本当に復興財源に回るのか
八塩圭子(学習院大特別客員教授)「復興財源が必要だから廃止すると言っておきながら、その分、被災地の無料化に使うわけで、復興財源全体どうするか」
池田健三郎(日銀出身の経済評論家)「(1000円高速は)麻生内閣の時に国内の物流を活性化させ経済成長を高めようと始まった。無料化実験などにどういう経済効果があったのか検証しないうちに終わった。朝令暮改という声もあり、悪い影響として出てくるのではないか」
文
モンブラン