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『今週の注目記事』被災地の納棺師(週刊ポスト)

   他の注目記事をあげておく。納棺師といえば映画「おくりびと」で一躍その存在を知られたが、津波で甚大な被害を受けた岩手県釜石市に住む納棺師・千葉淳(70)氏が、遺体に囁きかけ、一体一体を手厚く葬る姿を描いた「週刊ポスト」のノンフィクション「被災地の納棺師」が読ませる。

   「篤姫」「江 姫たちの戦国」で知られる売れっ子脚本家・田渕久美子氏の秘書をしていた2人の女性が、彼女を告発している週刊文春の「田渕久美子と泰葉 男遊び、暴力‥‥『狂気の瞬間』」。彼女の作品は実は兄が書いたもので、彼からファックスで送くられてきたものを彼女たちが整理し、それに1ページに付き2、3行付け加えるだけだったと話している。もちろん田渕氏はそうしたことを全面否定しているが、彼女のいうように「私の不徳の致すところ」であることは間違いないようだ。

   いまや「知の巨人」とまでいわれる立花隆氏が、「文藝春秋」7月号に書いた巻頭エッセイに新潮が噛みついている「『文藝春秋』巻頭に『立花隆』が書いた虚構の光景」。彼は樋口一葉ゆかりの菊坂(東京都文京区)の近辺に住んでいるが、久しぶりに散策してみると、あたりが変貌し、一葉が使ったという井戸まで消えてしまっていた。そうした文化遺産的史跡がなぜなくなってしまったのかと区役所に問い合わせると、住民の希望によりそうなったと聞かされ、住民エゴがここまできたのかと慨嘆している。

   ところが、露地も一葉の井戸もなくなってはいなかったというのだ。住民もこのエッセイに驚いていて、編集部が区役所に聞いてみたが、そうした問い合わせもなかったと答えている。はて、どうしたのかと立花氏に取材を申し込んだが、締め切りまでに返事はなかった。面妖な話である。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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