今ごろはカムチャッカ沖でサケ・マス漁に取り組んでいたはずなのに、津波で陸に打ち上げられてしまった大型漁船を海に戻す作業が始まった。
3日がかりで費用1億円
カツオの水揚げ14年連続して日本一の宮城県・気仙沼漁港では、全長40メートル、約400トンの巨大な漁船「第1明音丸」が港から80メートルほど離れた陸地に横たわってる。これを巨大なクレーン2機で持ち上げる作業が15日(2011年6月)朝から始まった。16か所をワイヤーで固定して持ち上げ、特殊な搬送車に載せて海へ戻す。3日がかりの作業だ。
搬送車も横幅7・5メートル、全長30メートル、車輪は192もある。移送費用は1億円。保険会社が全額負担することが決まった。
作業を見つめながら船主の池田博人さん(36)は、億単位の移送費用では払えないと一時は廃船、解体を決めた。「船が海に戻るのは本当に楽しみ」という。船長も「やっぱり船が生活の糧。船がなければ陸に上がった河童と同じ」と語り、操業再開のメドがついたことを喜ぶ。
搬送車に載せる1日目の作業は11時間かけて終了。17日午前10時半に着水する予定という。ただ、まだ大型漁船4隻が陸で船腹をさらしていて、これらの漁船も海に戻す作業が行われ7月中ごろには終わるという。
カツオ水揚げ来週再開
気仙沼漁港では魚市場の復旧も急ピッチで進められ、「24、5日ごろには再開できそうだ」(漁業組合長)。カツオの水揚げに必要な大量の氷や燃料、カツオの餌をとる網の修復なども急ピッチで進められ、震災前のレベルにはいかないまでも、なんとか再開のメドがついた。しかし、岩手、宮城の被害は250漁港、流出・損壊した漁船は1万8277隻にのぼり、大半はメドがたたない。
司会のみの・もんた「差が出ましたね~。魚市場の再開が予定されているのは岩手県で13市場のうち5つ、宮城県は10市場のうち1つ。国が全力を挙げて漁業を守らないといけないと思います」
批判の矛先は、やはり権力闘争に明け暮れる菅政権内部、そして野党に向けられた。