「韓国で、路線バスが『爆発』事故を起こしてます」と、コーナー進行役の小松靖アナが言う。走行中のバスでタイヤが破裂する事故が相次いでおり、乗客に怪我人が出た事故もあった。いずれも、古くなったタイヤを再加工した「再生タイヤ」を後輪に使用していたという。
「日本のバスは再生タイヤ使っていません!」
「韓国のバスでは再生タイヤを使うことが許されているんです」と、そんなことが許されるのは異常だというふうに聞こえるニュアンスで小松が言うと、羽鳥慎一キャスターが「ニッポンでは使ってないんですか?」と水を向ける。「ニッポンでは使っていません」。小松はしたり顔――近頃の表現で言えばどや顔で、明言した。
ワイドショーとはいえ、小松のような局アナは発言に慎重さと正確さが求められている。局アナは、コメンテイターやフリーの司会者などより、断然、「正確さコード」が厳しい。間違ったことを言うよりは、「すいません、しりません、わかりません」で終わったほうが、視聴者的につまらないが、テレビ局的には望ましいんであろう。
さて、番組もエンディングになると、小松が神妙な、ほとんど泣きそうな顔つきで登場した。訂正とお詫びとのためである。曰く、「再生タイヤはニッポンでもバスなどに使われるケースがある」ということで、本日の番組で唯一笑えた瞬間だった。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト