一昨日(2011年6月13日)イタリアで行われた原発再開の是非を問う国民投票は、反原発の票が9割以上を占めたことを受けて、ベルルスコーニ首相は「政府と議会は国民投票の判断を完全に受け入れる義務がある。イタリアは原発にさようならを言わなければならないだろう」と声明を発表した。枝野幸男官房長官は「ヨーロッパでの反原発の流れは日本にも少なからず影響がある」と語った。
こうした動きを伝えた森圭介アナウンサーは、「ついに悲劇的な事件が起きてしまいました」と話し始めた。
出荷制限で乳牛30頭をすべて処分
原乳の出荷が一時制限された福島県相馬市で、酪農家の男性が自殺していた。11日(2011年6月)に男性の自宅を訪ねた農協職員が、隣接する堆肥舎で男性が首をつっているのを発見した。
森「男性は酪農の先行きに不安を漏らしていたそうです。遺体近くの壁には、チョークで『原発がなければと思います』『こういう形になり、すいませんでした』『残った酪農家は原発にまけないで』と書かれていました」
男性は約30頭の乳牛を飼育していたが、出荷制限で最終的に乳牛を全て処分。廃業状態という悲惨な状態に追い込まれていたという。
酪農関連の損害16億円
森は「出荷停止による酪農関係の損害は9億円、加工前牛乳の処分による損害が7億円、合わせて16億円の損害賠償を東電に求めていくことを検討しています」と伝える。
司会の加藤浩次「たしかに賠償も大事だが、それ以上にこれからのビジョンを示してあげることが重要ではないか。お金を払えばそれで終わりとはならないだろう」
キャスターのテリー伊藤「仕事もない。希望もない。自暴自棄になって酒に走り、アルコール中毒になる人が増えていると漏れ聞いている。一刻も早くこういう状況を変えるべきだ」
自殺した酪農家は辞世の句と見られる書き置きもしていた。
「原発で 手足ちぎられ 酪農家」