静岡市葵区藁科地区の「本山茶」から基準値超えのセシウムが検出された。ネット通販業者の放射能自主検査をきっかけに判明したという。
問題の茶は、無農薬栽培でつくられたこだわりのお茶。番組の取材によれば、この茶の生産者は「人の口に入るものは安全にしたい」「農薬を使って水を汚し、下流の人たちに迷惑をかけたくない」との思いで、むずかしいとされる茶の無農薬栽培に熱心に取り組んできたのだという
いまのところ、同地区の本山茶で基準値を超えたのは、この生産者のお茶だけだ。ただし県のこれまでの検査で、同地区は周囲の産地より高めの数値が出ていたという。
無機カリウム肥料制限が裏目
それにしても、原発から400kmも離れた静岡市で、なぜこれほどの放射能が? 放射能の専門家、大谷浩樹・首都大学東京准教授によれば、地理条件と有機栽培が影響している可能性がある。
土地が標高の高い斜面にあるため、飛んできた放射性物質が堆積しやすい。また日照時間が長く、光合成が盛んだが、そのための放射能入りの水をたくさん吸い上げてしまったのではないかという。
また、有機・無農薬栽培では、無機肥料のカリウムを制限するが、それで作物がカリウム不足になった場合、カリウムと似た性質を持つセシウムを代わりに取り込んでしまった可能性があるという。
文
ボンド柳生