船橋・海浜公園の沖合300メー トルに、震災の後に島ができたという。渡り鳥などの生息で知られる東京湾の浅瀬、三番瀬の中だ。「船が通れなくなった」というのを、岸本哲也アナが訪ねた。
貝殻が吹き寄せられたカキ礁
船橋漁港からすぐだが、干潮時に緑色の瀬と白い瀬とふたつ現れる。ちょうど浦安のマンション群と船橋の海浜公園の中間。岸本が水深80センチから歩いて接近すると、緑の瀬は海草とカキ殻でいっぱいだ。白い瀬に上がってみると、こちらは小さな貝殻がぎっしり。地元漁師によると、以前から浅瀬ではあったが、せいぜい数メートル幅だったものが、震災後は幅80メートルにもなったという。生きた貝ではなく、貝殻だ。もともと貝殻が吹き寄せられるカキ礁というものらしい。
海中に入ってみると、以前は平らだった海底が様々に隆起したり凹んだりしていた。「海底がでこぼこになっちゃった」と漁師はいう。よく採れたホンビノス貝(シロハマグリ)が少なくなり、深いところから掘り出す貝は色が黒くなったという。
それだけではない。潮干狩りでおなじみの干潟が、震災後はかなりの広さにわたって水没してしまっていた。地上でも大規模な液状化で地割れができたりしたために、毎年15万人が訪れる潮干狩りもことしは6月15日まで中止になった。
岸本は「歩くと段差があるんです」という。変化は、島ができた、穴があいた、沿岸部に地割れと3つある。専門家によると、いずれも地震の影響で、穴があいたのは液状化だという。海底でも起っていたわけだ。島はカキ礁が地震波で盛り上がって、潮が引いたときにそれが顔を出しているのだという。地割れは地盤沈下だ。