「水産業復興特区」漁業権の民間開放で甦るか三陸漁業

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漁協システム「面倒見てくれるがコスト高」

   キャスターの国谷裕子が「水産加工会社の新たな取り組をどうお考えですか」と聞く。岩手県陸前高田市出身で海洋政策論が専門の小松正之(政策研究大学院大学教授)は次のように答えた。

「日本の沿岸漁業は作るだけで終わっており、流通と加工の連携が乏しかった。それを一つに束ねて対応する考え方は、一歩前に進めたものだと思う。村井知事の言われた漁業権の問題で、民間へのリンケージを考えることも将来的には必要だ。
県が漁協に養殖などの漁業権を与え、組合員がそれを使うのを行使権というが、この行使権を得るために20万円、40万円、100万円を払うのが一般的なケース。漁協に属し、行使権の中でやっていれば漁協が何もかも面倒を見てくれるが、高くつく。
一方、漁業者が直接、知事から権利を得れば、販売や技術開発など単独ですべてやらなければならないが、半分は漁協と組み、半分は新しい形でやる方法もある。また、登記して自分の権利とすれば、若い人に譲渡もでき、貸し与えることもできる。
知事が言っているのはそうした多様性、選択肢を持たせるという意味だと思う」

   既存の殻を打ち破り、新たな枠組みが成功すれば、モデルケースとなり全国の水産業を変えるきっかけになる可能性がある。そのチャンスを生かせるのは苦境に立たされた今しかないのかもしれない。

モンブラン

NHKクローズアップ現代

(2011年6月1日放送「漁業の町はよみがえるのか」)
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