牛が売れるまで離れられん!避難期限の飯舘村、川俣町

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   福島第1原発の事故で「計画的避難区域」に指定された福島・飯館村、川俣町の避難期限はきのう(2011年5月末)までだったが、依然多くの住民が残っている。避難できない理由を井口成人レポーターが追った。

村内にブランド牛3000頭

   飯館村で昨日までに避難したのは6177人のうち4750人。まだ1427人が残っている。理由のひとつは避難先が見つからないことだ。飯館村が「計画的避難区域」に指定されたのは4月22日と遅かった。原発からの距離が30キロ以上だったために、当初は避難が必要とは思われなかったからだ。その後、飯館の汚染が高いことが判明して事態がかわった。

   ところが、周辺の施設にはすでに30キロ圏内の避難者で埋まっていた。仮設住宅ができるのは今月末になる。また、南相馬市などへ通勤する人もあるため、西の方へは移りにくいなどの事情もある。

   避難できないもうひとつの理由が酪農だ。村内には3000頭の牛がいる。今月中旬に行われるセリで牛を整理しないと動きがとれない。35年間ブランドの飯館牛を飼育してきた山田猛史さん(62)は、「牛がいる間は避難できない。仲間は200人ぐらいいたが、避難先でも牛を飼うのは8軒くらいかな」という。

   村で唯一の介護施設「いいたてホーム」は、きのうでデイサービスと訪問介護を中止した。施設長は「ここがあると避難しない老人もいるから」という。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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