梅雨入りとなった被災地では、210か所の避難所が土砂災害の恐れのある危険個所に隣接している。では、梅雨を迎えて仮設住宅の建設は進んでいるのか。必要な仮設住宅の戸数は、岩手、宮城、福島の3県で約6万1000戸という。
目標6万1000戸。まだ2万7200戸
菅首相は「お盆までに私の内閣の責任で希望されるすべての人が仮設住宅に入れるよう完成させる」と明言。これを受けて、国交省は5月末(2011年)を目標に計3万戸の仮設住宅を建設する計画だったが、現状ではまだ届いていない。大畠章宏国交相も5月30日、「完成したのは2万7200戸に止まり、目標に届いていない」ことを明らかにしている。
3県の必要戸数と完成戸数の内訳は、岩手県1万4000戸(完成戸数6869戸)、宮城県2万3000戸(同1万294戸)、福島県2万4000戸(同6332戸)で、まだ半分にも満たない。
入居後は光熱費自己負担
しかも、家具や家電製品付きの仮設住宅が完成しても、ガス、電気、水道などの光熱費全額は入居者負担になっており、補助は予定されていない。職を奪われ、収入のない中でこの負担はつらく、入居を諦める被災者が多数いるという。ようやく抽選に当たり入居が決まっても、入居してからまた大変で、「がんばれ」などと簡単に言えないのが現状だ。
キャスターのテリー伊藤「あとは雇用だね。仮設住宅のある地域で働く場所を探すことになるのでしょうが」
それも簡単なことではない。内閣府が発表した5月の地域経済動向は、被災地の自動車向け半導体工場など生産態勢がまだ戻らず、東北の景況は「きわめて大幅に悪化」となっている。