「内閣不信任案」今週にも提出―永田町「震災も原発も知ったことか」

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   永田町とその周辺に棲む人たちと国民との間には想像を超えたギャップがあるようだ。今朝(2011年5月31日)の新聞各紙やテレビは「内閣不信任決議案」提出を巡る見出しが躍る。

「何が政局ですか!こんなこと考えている場合ですか」

   司会のみのもんたが声を荒げる。コメンテーターたちも同様の意見だが、政治家や評論家の見方は別のようだ。

馬場・浪江町長「政治家に怒り感じる」

   「おでかけ前の朝刊チェック」コーナー。朝日新聞に「復興より不信任案?」の記事が載っている。「震災復興や原発事故対策にめどがたたないのに、国会では内閣不信任案を巡る騒ぎが広がる」とある。その隣に「憤る被災地」という見出し。避難生活を余儀なくされている福島県浪江町の馬場有(たもつ)町長が、「まず原発事故収束に全力を注ぐべきだ。こうした動きをする政治家に怒りを感じる」と言っている。

   みの「誰しもがそう思うんじゃないですか。普通はそう思いませんか」

   コメンテーターの尾崎弘之(東京工科大学教授)「本当に信じられない。まったく理解できない」

   三屋裕子(スポーツ・プロデューサー)「いまだに10万人以上の人が避難生活をしている中で、被災地のことを考えていないのか。ものすごい違和感がある」

   杉尾秀哉(TBS解説・専門記者室長)も「では、誰だったら原発事故対策や復興が進むのか、どうやって進めるのか、具体策がない。ただ代えりゃあいいってもんじゃないでしょう」と批判する。

否決前提に与野党で政局ごっこ

   そこで登場したのが時事通信社解説委員の田﨑史郎。

   みの「この時期、こういう政局がらみの動きをせざるをえないのはなぜですか」

   田﨑「いろんな考えがありますが、僕はやらざるを得ない局面に来ていると思う。菅さんがもうちょっといろんな人に配慮したり、野党に対してじっくり説得したりすればいいんですが。
   菅さんが原因となって政治が動かなくなっている要素はかなり大きいんです。政策の問題もあるが、政治を動かすのは政治家同士の信頼関係。菅さんにはそれがない。震災対策もうまくいっていない」

   みの「今の難局を乗り越えてから議論してもいいのでは」

   田﨑「そこは判断が分かれるところで、いま急流にいるのだから馬を乗り換えるべきでないという意見と、いや、いったん乗り換えて新しい人にという意見もある」

   みの、田﨑に歩み寄りながら「あのう、誰か名前を上げてくれませんか」

   田﨑、驚いたようにむせながら、「僕は苦しいんですが、自民党の谷垣禎一総裁を民主、公明が支えるほうが政治全体が動いていくのではないかと思います」

   これに対し、杉尾は「僕は馬を乗り換えるなという意見です。政治が動かないのは菅さんだけの責任なのか」と反論する。三屋も「国難というこの時期、本当の意味での呉越同舟はできないのですか」と納得していない。

   「とにかく菅さんはだめ」といった政治家同士の人間関係が政策に優先するのか、永田町の論理と思惑はなかなか理解できない口ぶりだった。

   ちなみに、田﨑は内閣不信任案が提出されても民主党からの造反は30人~40人で否決されるとみている。みんな否決されるのを見越して、安心して拳を振り上げたり脱党ごっこをやっているのではないか。菅首相はダメかもしれないが、このありさまでは他のだれでも同じだろう。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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