大型台風2号は29日(2011年5月)、四国沖で温帯低気圧になったが、那覇では瞬間最大風速55mを記録、沖縄では61人のケガ人を出した。また、広い地域で記録的な大雨をもたらした。
気象予報士の石原良純が今年の梅雨の特徴を解説した。
「今年の梅雨入りは過去2番目の早さなんです。梅雨というのは春と夏の境目ですが、今年は太平洋高気圧がいつもより強いために、梅雨前線が本土に接近してしまった。 台風はそこへ入り込んでくる」
司会の羽鳥慎一「梅雨明けも早い?」
石原「いい質問ですね(笑い)。どうなるんでしょうね。それがわかったら苦労しない」(大笑い)
大雨で福島原発「汚染水」あふれ出す懸念
東北地方の大雨でこれまでと違うのは原発事故だ。
青木理(ジャーナリスト)「すでに水がたまっていますからね」
羽鳥「上が開いているから、雨が降ると……」
その福島第1原発について、東京電力は作業中のホースやケーブルをロープで縛るなどしたが、特別な台風対策をとっていない。降水によって、すでに満杯状態の汚染水があふれる危険がある。これには、シルトフェンスで対応するしかないらしい。
原子炉の設計者は今後も雨による汚染水流出を心配している。原子炉建屋、タービ建屋にたまっている水に台風の雨が加わるとあふれて、汚染が水とともに一気に広がるからだ。また、別の専門家はフェンスは100%効果があるわけではないと話す。
背筋が寒くなるIAEA映像
ということで、今後の台風が心配ですねぇで話は終わってしまったのだが、この日の番組で一番印象的だったのは、IAEAの原発内部の映像だ。IAEAの調査団が福島第1原発を視察したときの映像で、防護服を着た一行が東電関係者と発電所内を歩き回っている。使用済み燃料貯蔵施設では、くるぶしまで水がたまった中を長靴で歩く。3号機、4号機もこれまでの映像よりはるかに状況がわかる。トレンチをのぞき込んだりは初めて。汚水処理作業の仮設タンクがずらりと並んでいたり、広大な敷地ががれきの山になっている様子、シルトフェンスもとらえられていた。
なぜこれが東電の手で出てこないのか。もっと早く事故の直後に出せなかったのか。これを許してきたメディアは何を考えていたのか。防護服を着る勇気がなかったということか。情けない。