東京電力はきのう(2011年5月26日)、「3月12日夜の原発1号機への海水注入に中断はなかった」と発表した。21日の統合対策本部の発表で、「午後7時25分ころから約55分間中断した」としていたものだ。中断させたのは菅首相だった、いや言ってないと国会でも論議になっていた。
注水継続は正しい判断だとしても…
東電の説明はこうだ。12日午後の水素爆発のあと、すでに海水注入を始めてい たところへ、官邸にいた東電の連絡担当者から「総理の了解がえられていない。実施でない空気だ」という連絡が入った。東電本社は福島とテレビ会議を開き中止すると決めたが、現地の吉田所長は自分の判断で継続していた。原子炉の安全を優先させたためだという。
なぜいまになってという疑問に、吉田所長は国会・報道で論議になっていることと、IAEA調査団のヒアリングを考えて、「正しい事実」を話すことにしたのだという。 注水継続はおそらく技術的には正しい判断だったろうが、東京で大騒ぎになってからも、聞かれるまで黙っていたことは納得いかない。吉田は東電本社はおろか、政府、国民も眼中にないらしい。
こうなると、注水中止の指示のもとになったという原子力安全委の班目委員長の「再臨界の危険」うんぬんの話も吹っ飛ぶ。班目はきのう「私は何だったんでしょう」と苦笑していた。
続いてきた「福島の独走」こそ問題
司会の羽鳥慎一「情報は大丈夫なのかな」とよく飲み込めない表情だ。
作家の吉永みち子「風呂の水を止めたとかいう話じゃないんだから、記憶があいまいだなんてことはありえない。記録もなかったら検証もできない」
小松靖アナがこれまでの経緯を図解した。「空白の55分間」が実はなかったこと、すべては吉田の独断だったとされている。
羽鳥「現場が一番いいと思ってやったことが、上に伝わってなかった?」
吉永「(21日 の発表前に)ヒアリングしてないと言ってたでしょう。ありえないことですよ」
ことは単なる情報伝達の問題ではない。福島の独走がずっと続いていた。これがひとつ。「菅首相が止めた」という話が、経産省から自民党筋への連絡から始まっているというなんとも生臭い話もある。まったく危なくてしょうがない。
ヤンヤン