ルールなく非常識走行
国交省は4年前、糖尿病など生活習慣病の医療費削減につなげる狙いで、試験的に全国98か所で自転車専用レーンの整備を始めた。しかし、自転車が走るスペースを確保するのは容易でなく、神奈川県相模原市の駅前道路に1.2kmを新設したところ、間もなく自動車の駐車場所になり自転車専用レーンを塞いでしまう結果になった。
キャスターの国谷裕子「ツーキニストが急増しているなかで、怖い思いをしたり、逆に苦々しく思う人たちも少なくない現状をどう思いますか」
国内外の自転車事情に詳しい自転車活用推進研究会の小林成基事務局長が次のように答えた。
「自転車のルールがみな分かっていない。歩道を通ったり、右側通行したり。これは1970年(昭和45年)に法律で歩道を通っていいと認めてしまったせいで、自転車は歩行者に近いと勘違いしてしまった。
ドライバーも自転車は歩道を通るものと思ってしまい、自転車はあいまいな状態に置かれてきた。自転車は『車両』だから左側通行は当たり前。歩道を通る場合は例外だから、『徐行して歩行者優先』となっているのにどこかにいってしまった。こんな状態は世界で日本だけ。非常識といわれています」