読売新聞「老害・務台」真似するナベツネ「僕に定年ない」
今週はメディア批判が目につく。新潮が「亀裂が走った読売新聞『ナベツネ』帝国」で、渡辺恒雄主筆が君臨する読売に異変が起こっていると書いている。東電社長交代で「社長に築舘氏」とやって、これが大誤報。決算の数字も3000億円も大きく報じてしまったのである。
その上、ポスト渡辺体制を確立しつつあるように思われていた内山斉会長が突然辞任してしまった。その理由に諸説ある。1000万部を割り込んだため、関西などの他地区で実際には読者に届かない「押し紙」を増やせといわれたのに、内山氏が拒否した。2014年に完成予定の新社屋に、豪華なナベツネ専用フロアが予定されていたが、内山氏が密かに反故にしていた。氏家・日本テレビ会長が亡くなったのを機に、渡辺追い落としのクーデターを画策したことが露見した。渡辺主筆はインタビューに答えて、内山氏の奥さんの具合が悪いので、辞表を持ってきたのだと全否定している。その言葉の中で、私には引っ掛かる箇所があった。
「僕には定年がないんだ。昔から代表取締役、最高顧問、社主には定年ないですよ。務台さんだって94歳まで代表取締役やってたんだから」
私は務台さんの最晩年に「月刊現代」に「老害ではないか」と書いたことがある。少し前に、ポスト務台の有力候補だった氏家氏を突然日本テレビの副社長に飛ばし、いくらも経たないうちにそこからも追い出し、60歳を過ぎて氏家氏は6年の浪人暮らしを余儀なくされたのだ。
務台という人は、自分を脅かす存在になった人間を次々に切っていった。そろそろ、そういうことはおやめになって、次の人に譲られたほうがいいのではという趣旨の特集だった。だが、務台さんは怒り狂い、社内報特別版を出して、現代の言っていることはウソだと全否定した。そして車椅子のまま、亡くなる直前まで、読売に君臨し続けたのだ。90歳過ぎても権力に恋々とする務台さんの老害ぶりは、社内外で批判された。どうやら渡辺氏も務台さんの域に入ってきたようだ。