福島第1原発2、3号機から出る高濃度の放射能 汚染水の先行きが危うい。移送先である集中廃棄物処理施設は1万4000トンで、これが遠からず満杯になる。しかし炉心冷却の「かけ流し」状態は続く。
東電はきのう(2011年5月25日)、一時移送を止めると発表したが、その後まだ5000トンが可能とした。しかし、汚染水は日に数百トンにのぼるから、単純計算でも半月足らずでいっぱいになる。
フランスのアレバ社製システム
東工大の澤田哲生助教は「溜池みたいなものをつくるしかない。かけ流し状態ですから、どこかへ出てくる」という。最終的には、汚染水を増やさないために、汚染水を浄化して再度冷却に回すシステムにするしかない。フランスの「アレバ社」のシステムだが、処理費用が半端じゃない。1トン1億円というから1万トンで1兆円。年末までに20万トンの見込みだから20兆円だ。「国家予算の4分の1」と助教。
澤田助教「それより問題なのは、汚染水を移送しても、もともとあった水の量が減っていないこと。トレンチなどへどういう経路で流れているかもわかっていない。建屋からもれているのかどうかもわからない」
玉川徹ディレクター「もれていることは初めからわかっているのに、なぜ流出を防ぐ手だてを同時に講じられないのか」
澤田助教によると、いま地下ダムを作る構想があるという。下が岩盤なので、しみ込んだ状態を放置すると横に汚染が広がる。そこで、地中に防壁のようなものを作って全体をダムのようなものにするというのだ。
赤江珠緒キャスター「他に有効な方法はないのですか」
澤田「ないですね。雨漏り状態ですから」
止めるわけにはいかない雨漏りだ。いまだって最悪なのに、水が止まったらウルトラ最悪になる。それにしても、1トン1億円…フランスにだってなにがしかの責任はあるだろうに。