5月25日未明(2011年)、名古屋市内の2階建て木造住宅で火災が発生、3世帯8人家族のうち、2階で寝ていた幼い子供を含む5人が死亡し、2人が意識不明の重体となる惨事があった。
パソコン数台が置かれた2階の部屋が出火元とみられており、タコ足配線が原因として浮びあがってきた。電気を使っていない深夜になぜ火災が起きたのか。
数分程度でショート起こすテーブルタップ
愛知県警や市消防本部の調べでは、出火元の部屋では3台のパソコンの電源コードがタコ足配線になっており、電源コードの下の床に強く焼焦げた跡があったという。
タコ足配線になりがちなのがテーブルタップ類の延長コード。意外と盲点で、2004年~09年までの5年間で配線器具や延長コードの火災が1119件。うちテーブルタップ類の延長コードが30%と最も多いという。
製品の安全性や事故原因を調べるNITE(製品評価技術基盤機構)の専門家によると、「一番危険なのは過電流だ」という。延長コードやテーブルタップの許容量以上の電力を使ったときに、コードや差し込み部分が発熱して出火する現象だが、過電流だと数分程度でショートしてしまうという。
たとえば、1つの延長コードに2つのテーブルタップ。そこに5つの家電製品を繋ぐ。さらに延長コードを何重にも巻いて束ねた状態で家電製品のスイッチを入れると、束ねたコードが150℃程度に発熱する。