東日本大震災が原因かどうか、各地の温泉地に異変が起きているが、まったく噴き出さなくなってしまった新潟・弥彦村の観音寺温泉はどうなっているのか。逆に、湯量が増えた岐阜・飛騨市の割石温泉は経費軽減でウハウハだ。
1か月半でキャンセル400件
観音寺温泉は地下からくみ上げた源泉をパイプで各旅館に配っていたが湯が止まってしまった。湯元を調べたところ、源泉が枯渇していることが分かったという。1000年以上の歴史を持つ観音寺温泉だが、旅館経営者は「震災以来1か月半でキャンセルが400件、売り上げが飛んでしまった」と嘆く。
やむを得ず、40年前に使用を止めた昔の温泉を再利用することになったが、「実はこの『温泉』は成分が足りず温泉とはいえない」のだという。
逆に湯量が増えたのは、源泉掛け流しで泉質がいいと評判の岐阜・飛騨市の割石温泉。湯量が1.3倍に増え、湯の温度も徐々に上がりはじめた。震災当日40.05℃だったのが取材した5月24日(2011年)には43℃にまで上昇、追い炊きが必要なくなり、燃料費削減の思わぬ効果ももたらしている。
泉質変わって「肌すべすべ」の茨城・袋田温泉
泉質が変化した茨城・久慈郡の袋田温泉。透明だった温泉が白濁するようになった。石灰質と粘土が温泉に溶け込んだことによる白濁で、「石灰はアルカリ性なので肌がすべすべになる」という効用があるという。
内科医のおおたわ史絵「湯治は温泉の成分だけの話ではないと思う。きれいな空気を吸ったり景観を見たり、いろいろな効果がある。温泉の効果がなくなっても、自分は足を運びたいなと思いますけど…」
キャスターのテリー伊藤「温泉でのんびりしたい人だけじゃない。効能を信じて病気で来る人もいますからね。それが無くなったというのは辛いですね」
こちらも死活問題――。