猛暑と節電で今年はことのほか暑い夏になりそうだ。「日本一暑いまち」といわれる埼玉県熊谷市はこの夏をどうしのぐのか。「朝ズバッ!」が取り組みをリポートした。
熊谷市では4年前の2007年8月、国内最高の40.9度を記録した。デパートではまだ5月というのに冷やして使うかき氷枕が売れている。買い物に来たおばあさんも「頑張って節電します」と健気に語る。
「節電ノー残業デー」
市役所は早くも節電態勢に入っている。庁舎の中は照明が減らされ、うす暗い。「節電ノー残業デー」も設けた。残業している職員はいないか、電気のつけっ放しはないか、「節電監視員」が見回ってチェックするという徹底ぶりだ。職員は「市民の皆さんをけん引できるような節電目標、暑さ対策を考えることが大切なので、懸命にやっていくしかないと考えています」と悲壮な覚悟だ。
住民たちもそれぞれ工夫している。ある家庭では、藤棚などのグリーンカーテンでエアコンをつけないようにするほか、料理の時に鍋帽子を使う。厚手の布で作った鍋に被せる帽子。煮物が8分通り煮立ったら火を止め帽子を被せる。あとは余熱で煮上がるというわけだ。火の前に立つ時間も少なくて済むので暑さ対策にもなる。この家ではこうした工夫で震災前に1万2000円を超えていた電気料金が7000円に減った。
ご主人がいう。
「家庭で節約して電力を工場に回さないと、日本が活性化してこないということですよね」
別の家では「家もクールビズに」と屋根や外壁に遮熱の塗料を塗って暑さを防ぐ。
群馬県館林市「全小中学校にエアコン設置したら…」
熊谷市と並ぶ「暑いまち」、お隣の群馬県館林市。ここでは節電と子どもたちの健康に悩んでいた。昨年(2010年)の記録的暑さから公立の全小中校にエアコンの設置を決めた。ところが、設置工事が進む中で事態は変化。市の教育委員会は「子どもの健康と節電の両立に苦慮しています」
さて、今年の夏も暑いのか。昨日(5月25日)発表された気象庁の6月~8月の3か月予報によると、北海道、東北地方を除く地域の気温は「平年並みか高い」。昨年(2010年)は7月から9月の2か月間で過去50年で最多という1648人が熱中症で亡くなった。今年も心配だ。節電で命を落とすようなことになったら元も子もない。