福島第一原発では1号機に加えて、2号、3号機も炉心溶融していそうだし、圧力容器、格納容器の損傷もこれまで考えてたより酷いかもしれない――ことが次々と確認されつつある。
「事故から数日で『原発1~3号機、全部炉心溶融』と発表されたら、世界中の新聞は相当大きく書いたと思うし、日本でも号外が出る騒ぎだったはず」と司会の小倉智昭。「しかし、いまになって、やっぱり溶融していたと聞くと、ああやっぱりなんだと思ってしまう」と、一種の「慣れ」の気持ちを言う。
事故に「慣れ」させる情報コントロール
なぜ事故発生から2か月以上もたって、やっと事故の状況が発表されるのか。東電によれば、誰もこの目で見ることすらかなわぬ原子炉のデータ解析に時間がかかったのと、収束作業のほうに注力していたためだという。
それにしても遅くないか。東電・政府は「パニック」を避けるため、事故に「慣れ」させるため、情報をコントロールした(している)のではないか。そして、マスコミもグルでなにか隠しているのでは――と疑う人は少なくないらしい。
「私もいろんな人から『なにか知ってるんじゃないですか?』と聞かれます」と笠井信輔アナ。「でも、我々も発表されたことしか知らないわけでして――」と、笠井は番組視聴者と同じ立場であることを強調した。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト