国会では昨日24日(2011年5月)、3月12日に福島原発原子炉への海水注入が中断した問題をめぐって紛糾した。「誰のせいなんだということで、もめました」と、ウンザリしたという調子で笠井信輔アナが言う。
原発事故を一刻も早く収拾する作業は遅々として進まないなか、とっくに炉心溶融してたらしいあとの海水注入が1時間中断したのは、いったい誰のせいなのか、首相が指示を出したらしいぞ云々――と、膨大な時間を割いて「徹底検証」してわかってくるのは、東電、官僚、政治家、専門家、報道の混乱ぶりと、不信、誤解、疑念、無知、風評の巨大な渦がそこかしこに巻いてることだけだ。
危機マニュアルのない国
司会の小倉智昭は「原発にはリスクがあるとわかってるのに、いざというときのマニュアルがない国だということがホントよくわかりましたね」と、苦々しい顔。
海水中断の次のトピック――福島の保護者らが校庭の年間20ミリシーベルト基準の撤回を求める――を紹介する際、笠井は「いま検証してる場合じゃなくて、先のことを――と」と、いまそこにある原発事故の危険と不安に苛まれる人々の気持ちを代弁した。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト