「発送電分離」菅首相あえて言い出したミエミエの腹の中

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   朝ズバッ!「けさの顔」コーナーは菅直人首相(64)。昨日(2011年5月18日)の記者会見で、避難住民の帰宅の見通しについて言及した。来年(2012年)1月にはその時期を明示できるというものだ。1昨日(17日)、東電が示した「新工程表」で来年1月までに原子炉を冷温停止させるとしたことを受け、そうなれば「どの範囲がどの時期に帰っていただけるか申しあげることができる」とした。

   コメンテーターの小松成美(ノンフィクション作家)は「1月と具体的な時期が出てきたことで期待が高まるが、メルトダウンが隠されていたわけだし、1月と言われても信用できない。違ったときはどう責任取るのか。安直な印象が否めない」と批判する。 しかし、一方には、いつ帰れるのか、出口の見通しを示さないと希望が持てないという強い意見もある。

東電寄りイメージの払拭

   首相はまた、原子力行政を根本的に見直す中で、電力会社から送電部門を切り離す「発送電分離」を検討すべきとの考えも示した。発送電分離は10年前に議論されたこともあるが、電力会社の反対で実現しなかった。発電と送電を切り離せば、送電網への投資が必要なくなり、発電事業に参入しやすくなる、競争原理が働き電気料金の値下げも期待できる。この議論を進めていくと、電力会社の地域独占の崩壊につながりかねないと電力会社は警戒している。

   北川正恭(元三重県知事)は「発送電分離に触れたのは少し早すぎた。踏み込み過ぎでは」とこう言う。

   「かねてからの問題だが、いまは安定して電力供給ができ、補償もちゃんとできるということが最優先だ」

   首相の発言で東電の株価が下がるなど補償問題への悪影響を心配する。 司会のみのもんた「では、この時期にあえて言ったということは、何か思惑があったのでしょうか」

   金井辰樹(東京新聞政治部次長)が解説する。

   「あまりにも東電寄りと思われているのを、そうじゃないとアピールしようとした。政府内でも発送電分離の議論は今の段階では早いというコンセンサスがあると思うが、東電寄りと思われて政権がガラガラといくことは何としても避けたかったのでしょう」

   どうも、菅の発言、何事につけ政治的パフォーマンスの影が付きまとうところが悲しい。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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