放射線量が基準値を超えたとして先週、茶葉の出荷自粛を強いられた神奈川・南足柄 など6市町村に続いて、茨城・大子でも基準値をこえる放射線量が検出され、出荷自粛となった。
茨城は福島原発から60キロだ。足柄は300キロだから、農家も「神奈川でと聞いたとき、あんな遠いところで出たんだからと、心配していたんだが」とがっくりだ。
二番茶も出荷できるかどうか
大西洋平アナが足柄茶の現地にいた。小田原市の田中農園の田中康介さんの茶畑の隅に、 摘み取った茶葉が打ち捨てられていた。田中さんは「一番茶は1年間丹精を込めた集大成なんだよ。まさかこんなことになるとは信じられないよ」と涙を流した。
いまも摘み取り作業は続くが、これは来月(2011年6月)の二番茶の新芽を出すため。しかし、二番茶が出荷できるかどうかもわからない。畑に茶葉を捨てながら田中さんは「加工する間も風を送ったりして面倒みるんだよ」
どう処分するかの方針もない。小田原市も「野菜なら埋めたりするのだが、お茶については、とりあえずそこに置いておいてくれと、それだけです」
南足柄市の農家は「160万円の赤字に水道、電気、重油、ガス代みんなパー。生活のために補償はしてもらいたい」と怒る。県全体で損害は1億円といわれる。
お茶にして飲むときは線量10分の1
田中農園の加工工場から中継で田中さんが答えた。
「生葉は傷みやすいから、収穫したらその日のうちに処理しないといけない。本来ならいまがフル回転のはず」
だが、機械は止まったままだ。
「一番茶は年間収入の80%になるが、収入はゼロになった。基準が野菜と同じになっているが、実際にお茶にして飲むと、放射能は10分の1になるという。基準が厳しすぎる。そのあたりを冷静にみてほしい。補償じゃないんです。産地のブランドを守ることの方が大 事」
司会の羽鳥慎一「お金じゃなくて、ブランドだと訴えてます」
女優の東ちづる「挫折感とか喪失感とか、持って行き場がないでしょう」
羽鳥「あの涙はだれに向けたものなのか。悔しさをどこへ向けたらいいのかと思い ますよね」
まったくやりきれない。