福島第一原発の1号機では「水棺」を試みたものの、水はたまらず、格納容器あたりからの放射能汚染水洩れが確定的となってきた。そのため、まずは水の循環冷却システムをつくり、「穴」をふさいでから、最終的にやはり水棺を目指すのだという。
何もかもが不確定
福島原発で事態収拾に向けて何かをやろうとすると、そのためにやらなければいけないことが続々と増えていく感じではある。しかし、東電はとくに工程表のスケジュールを変更する必要はないとしている。
「先生はショージキなところ、工程表通りコトが運ぶと思っていますか?」。司会の小倉智昭が、どう考えても無理でしょ――と言いたげに、専門家のゲストに話しかける。
越塚誠一・東京大学大学院工学系研究科教授は「不確定な部分が多く、工程表より早くなるか、もっと時間がかかるのか、現時点ではちょっとわからない」
「はやく終わる可能性がありますか?」
「はやく」に反応した笠井信輔アナが意外そうに口を挟む。
教授の話では、早くなるか遅くなるかは、汚染水が漏れている「穴」を発見し、塞ぐこと次第であり、それがができればはやく収束させることもありえるという。そのための策はいくつか考えられるが、「具体的な作業の手順や方法は不明」だそうだ。
屏風から出してもらえれば、トラは退治できる――という頓知話が思い出される。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト