福島原発1号機に続いて、2号機、3号機でもメルトダウン――。
「深刻な事態です」と赤江珠緒キャスターは言うが、メルトダウンは早くからいわれていたこと。東京電力が「メルトダウン」という言葉を使いたくなかっただけだ。
東電はきのう(2011年5月16日)、地震当日の作業メモ3000枚を公表したが、司会の羽鳥慎一は「なぜ2か月もたってからなんでしょう」と首をかしげる。新聞によると、作業メモは中央制御室にあったもので、放射能に汚染されていたというが、制御室に電源が復旧したのは3月末だから、それから2か月近くも何をやっていたのか。不都合がないかをチェックしていたのではないかと疑いたくなる。
最終的にいくらになるか分からない
メルトダウンの程度はたしかに予想をはるかに超えていたが、水素が発生して建屋内にもれ、3月15日に2号機、16日に3号機の圧力容器内の圧が下がり、2号機で高濃度汚染水が発見されていたことからも、メルトダウンと容器の破損は明らかだった。一連の発表はこれを確認をしたにすぎないのに、テレビ報道が新しいことが判明したかのように伝えるのは困ったものだ。
問題はメルトダウンが「収束の工程表」にどう影響するかで、菅直人首相は「時間的な展望は変えないで進められるのではないか」と答弁しているが、そんなもの目安にすぎないと国民の方が覚めている。
1号機ではきょう圧力容器冷却のための水循環システムの工事に入るという。これに関連してテレビ朝日の原発担当ディレクター山根高文山根が水処理の費用に触れた。セシウムの処理に水1リットルあたり10万円から数十万円。1万トンなら1兆円。メルトダウンなら他の金属もあるし塩分もある。「水処理は何兆円という金になる」という。それでもきれいになるわけではない。