「週刊現代」原発恐いで部数急増!政府・東電の隠蔽で不安拡大

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あんまりだ!補償金仮払いで生活保護打ち切り

   最後に、私の友人(30代の女性)の話をさせてもらいたい。彼女の両親は福島に住んでいて、今回原発の避難地域に入ったため、東京の娘の家に越してきた。だいぶ前、父親はがんに罹り片足を切断、車椅子で生活している。働けないため以前から生活保護をもらっているから、今回も区に申請して受け付けられた。治療費がかなりかかるのだが、生活保護のため、少しの負担で済んでいるという。

   そこへ先日、東京電力が仮払い補償金として1世帯100万円を払うことを決めた。すると福祉事務所から、100万円が入ったら生活保護は打ち切るので、入ったら知らせてほしいといってきたのだ。父親は医療費がかかるから、100万円もらうより生活保護をもらっていたほうがいいとこぼしているという。もちろん、100万円を使い切れば、生活保護を再申請できるとはいうのだが、これっておかしくないか。

   役人からいわせれば、補償金も収入と見なすから、それがある間は支給しないというのは当然なのだろうが、これは親の遺産が入り、宝くじが当たったというのとは違うカネだと思うのだ。

   重い病を抱え、身動きもままならない老人が、ようやく身内のところに避難したのだ。そうした精神的なストレスや心細さに対する見舞金を、杓子定規に「生活保護は打ち切ります」はないだろう。たしかにこれはひとつの区や都の問題ではない。こうした問題は福島県内でも起きているはずである。

   国はこの100万円は例外にして、課税はいうまでもなく、生活保護を打ち切ることはまかりならんと宣言すべきだと思うのだが、読者諸氏はいかがお考えだろうか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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