乳幼児の放射線感度は大人の3~10倍。高いがん発生率
その現代、今週も原発恐い特集が盛りだくさんだ。小佐古敏荘内閣参与が辞任したことを取り上げた「いい加減な、あまりにもいい加減なこの国の安全基準」では、校庭での放射線被曝量年間上限20ミリシーベルトというのは、「私の試算では、内部被曝の影響は外部被曝の5倍に達する恐れがある。もし外部被曝が20ミリシーベルトなら、内部被曝は100ミリシーベルトに達するかもしれない」(矢ヶ崎克馬・琉球大学名誉教授)と警鐘をガンガン鳴らす。
4月30日、厚労省が実施した母乳の放射線物質濃度調査で、福島、茨城、千葉の7人の母乳から放射性ヨウ素131が検出されたが、「『放射線と妊婦・乳児・幼児』その危険性について」では、元内閣府原子力安全委員会専門委員の武田邦彦中部大学教授が、乳幼児は大人に比べて放射線の感度が3~10倍も高く、ガンの発生率も高くなることがわかっているとした上で、「たとえば福島県の空間放射線量が高い地域にお住まいの方ならば、空間からの放射線量だけで規制値いっぱいなのに、そこにたくさんの被曝が加わる。しかも大人より感度が高いわけですから、すべてが悪い方向にしかいかない。言いにくいことですが、それが現実なのです」と話している。
どん尻に控えしは、「福島の海を『第2の水俣』にするのか」。班目春樹原子力安全委員長らは、「放射性物質は海で希釈、拡散される。人が魚を食べてもまず心配はない」といい続けているが、これは水俣病の時と同じいい分だと真っ向唐竹割り。
「希釈、拡散されるといって汚染物質をどんどん流し続ける、現在の福島の状況は水俣とソックリです。構図もよく似ていて、問題を起こした大企業のバックに国がいる。大企業も国も、問題を隠そうとする。水俣の時もすぐに海洋の汚染調査をしておけば、これほど患者が増えることはなかったでしょう」(患者側弁護団長を務めた千場茂勝弁護士)
重いテーマがこれでもかと詰まった現代は今週も独走態勢である。
こちらも好調なフライデーが、久しぶりに写真誌らしいスクープで話題になっている。
「1994年の連続リンチ殺人事件で死刑が確定した元少年、大倉(旧姓・小森)淳死刑囚(35)について、判決確定前の3月11日に名古屋拘置所内で撮影したとする写真を掲載した」(5月12日asahi.comより)
大倉死刑囚は仲間と、大阪、愛知、岐阜で4人の若者を殺して殺人罪に問われていたが、最高裁が3月10日に上告を棄却した。
ジャーナリストの青木理氏がインタビューのために面会したとき、隠し撮りしたようだ。 眉を顰める向きもあるかもしれないが、写真誌の役割はこうしたところにある。