しずちゃんアメリカ武者修行に出ろ-女子ボクシング強化合宿入り

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   ロンドン五輪の正式種目になった女子ボクシングの強化選手に抜擢されたお笑い芸人、南海キャンディーズ・しずちゃんこと山崎静代(32)。ゆったりした言動が持ち味だったしずちゃんの変身に誰もが驚いたが、実はボクシングとの縁は5年前に遡る。

「あしたのジョー」読んでやってみたい!

   しずちゃんがボクシングを始めるきっかけになったのは、「たまたま読んだ漫画『あしたのジョー』で、いいなと思い、やってみたくなった」のだという。

   ちょうど家から通いやすいところにジムがあり、紹介してもらって2007年からジム通いが始まった。そして1年が過ぎた08年、NHKのドラマで主役のプロボクサー役に抜擢され、撮影中にボクシングを指導する梅津正彦トレーナーに出会った。梅津は多くの日本人チャンピオンを育てた名トレーナー。この時のしずちゃんの印象は「体重もけっこうあったが、撮影中に約10kg落ちたんですね。やっていてノッてるのが分かりましたね」

   しずちゃんはドラマの仕事が終わった後も梅津トレーナーに通い続けた。しばらくして彼女がポロッと漏らした。

「試合してみたいんです」

   アマチュア選手が試合をするにはC級ライセンスが必要だ。資格を得るためのテストを受けると見事合格。意気上がるしずちゃんのところへ、女子ボクシングがロンドン五輪の正式種目に採用されたというニュースが飛び込んできた。「これはちょっと目指さないわけにはいかないという気持になった」という。

国内にスパークリング相手いない

   五輪に出場するには越えねばならない幾つものハードルがある。まず強化合宿で試合形式のスパーリング審査があり、フルイにかけられる。続いて代表選考会で世界に通用する力を選考委員に認めてもらう必要がある。

   毎朝5kmのロードワークに、500mのダッシュ5本をこなす。昼はお笑い芸人としての仕事もあり、合間に楽屋でシャドーボクシング、夜は梅津トレーナーと3時間のトレーニングという過酷な日々が続いた。

   その結果、以前90kgあった体重は78kgまで落ち、昨年(2011年)3月、香川県高松市で行われた代表選考会にヘビー級選手として臨んだ。ところが、他にヘビー級でエントリーした選手がいなかったため試合は中止となってしまった。このままでは帰れない。1階級下の選手と初めての公開スパーリングを行い、選考委員に見てもらうと、「ボクシングの基本的な技術ができている」とヘビー級初代王者に認定された。

世界選手権ベスト8入りが当面の課題

   ただ、ロンドン五輪の女子ボクシングの種目にはヘビー級はない。フライ級、ライト級、ミドル級の3階級だけ。体重を落としてミドル級(65~75kg)で挑戦するしかなく、今も厳しいトレーニングを続いている。

   五輪強化選手に選ばれて、初の強化合宿が5月14、15日に行われる。合宿に参加するミドル級の選手は静ちゃんを入れて2人だけだが、いずれウェルター級から階級を上げてくる選手がいるとみられ4~5人になりそうだという。

   来年3月に世界選手権への出場を決める全日本女子選手権が行われ、5月にはオリンピック予選会となる世界選手権。ここでベスト8に入れば五輪代表に決まる。

   キャスターのテリー伊藤「相手がいないなんて受け身じゃダメ。アメリカ行って向こうの選手と闘ってこなくては」

   しずちゃんにとってこれからが本番。海外での武者修行はムダではないだろう。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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