国内にスパークリング相手いない
五輪に出場するには越えねばならない幾つものハードルがある。まず強化合宿で試合形式のスパーリング審査があり、フルイにかけられる。続いて代表選考会で世界に通用する力を選考委員に認めてもらう必要がある。
毎朝5kmのロードワークに、500mのダッシュ5本をこなす。昼はお笑い芸人としての仕事もあり、合間に楽屋でシャドーボクシング、夜は梅津トレーナーと3時間のトレーニングという過酷な日々が続いた。
その結果、以前90kgあった体重は78kgまで落ち、昨年(2011年)3月、香川県高松市で行われた代表選考会にヘビー級選手として臨んだ。ところが、他にヘビー級でエントリーした選手がいなかったため試合は中止となってしまった。このままでは帰れない。1階級下の選手と初めての公開スパーリングを行い、選考委員に見てもらうと、「ボクシングの基本的な技術ができている」とヘビー級初代王者に認定された。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト