自分の不運「子どもの幸せ」に押しつける母親たち
ママたちは小学校お受験をめぐって虚々実々の戦いをくり広げるわけだが、彼女たちをここまでおかしくさせているのは、結局はそれぞれが抱える不幸だ。自分の不幸を「子供の幸せ」に賭けることで解決しようとしているのだが、そんなことはできるわけもない。それを押しつけられる「子供の不幸」もしっかり描かれている。
ママとしての幸せは「子供をもったこと」そのものなのではないか。エリート亭主がじつは痴漢だろうと、模範亭主が浮気をしていようと、学歴のないトラック運転手だろうと、かわいい子供をもてたなら、もう男などは関係ない。哺乳類のメスは本来オスの助けを借りない。自分で取ってきたエサを食べ、子供にも食べさせる。ママたち、早くそれに気づいて自分の名前を取り戻してね。これ、おばさんからの切実な願いなのよ。
カモノ・ハシ