10日(2011年5月)に福島第1原発から半径20km以内の警戒区域に自宅がある住民の一時帰宅が行われ、「スッキリ!!」が一部始終を追っていた。問題発生の場合は自己責任を求められて住民が反発したり、防護服の暑さに倒れる人も出てスンナリとはいかなかったようだ。
「自己責任同意書」に住民怒り
この日に一時帰宅したのは川内村の54世帯94人。原則1世帯1人だが、1人では危険と判断されれば2人まで認められた。
警戒区域から2km離れた村民体育センターに集まった住民たちは、受付で防護服や線量計、トランシーバー、持ち帰り品を入れるビニール袋を受け取ったあと説明を受けた。そこで配られた「同意書」と題する紙は住民の神経を逆なでする内容だった。
「警戒区域が危険であることを十分認識し、自己責任において立ち入ります」
これには住民から「責任を押し付けるのか」と猛反発があった。このあと防護服を着た住民たちは、「いやー防護服は暑いね、ムンムンする」とぼやきながらも、5台のバスに分乗して午前9時すぎに久々の我が家へ向かった。途中、鮮やかな新緑の光景に、思わず「新緑だなぁ、こんないいところなのに」とタメ息がもれる。
自宅に到着した住民たちは、可愛がっていたネコに餌をやったり、必要な品をビニール袋に詰めたりであっという間に滞在時間の2時間は過ぎ、バスは午後2時50分に村民体育センターに戻ってきた。すぐに放射線量のチェックが行われたが、規定の放射線量を超えた人はいなかったが、防護服が暑くて気分が悪くなり倒れた人がいた。
自分の家なのに寝ることができない
川内村の遠藤雄幸村長は「自分の家に防護服を着ながら入らなくてはいけない状況。自分の家なのに泊まることも寝ることもできない苛立ちが皆さんにはあった」という。
司会の加藤浩次「『自己責任』ってどういうことですか。何かあった場合、すべて自分の責任ですよということですかね」
キャスターのテリー伊藤は「説明会や放射線量チェックで5時間もかかり、バスの送迎を入れると1日仕事ですよ。防護服ってサウナスーツみたいなものです。ヘトヘトになって年配の人4人が倒れた。これ真夏に歩けますか」とあきれ顔だ。
これで自宅滞在時間わずか2時間では、「少なすぎる」という不満の声が出たのも当然だろう。