福島第1原発の作業員の労働環境に問題ありと語っていた谷川武医師(愛媛大大学院教授)が、その後の様子を伝えた。改善されたが、なお問題が多いという。その作業員が口を開いた。
いまは福島第2原発の体育館が宿泊施設になっている。ここに約200人が防護服のまま寝泊まりしている。その映像に、司会の羽鳥慎一は「避難所ですね」
谷川医師は「24時間プライバシーなし。毛布、寝具は使い回しの集団生活で、感染性皮膚疾患が懸念される。1人1枚の毛布は必要です」と言う。まだそんな実態だった。
防護服に靴下2枚、安全靴の上からビニー ル袋2枚。全面マスクに手袋
第1原発で働く20代 の作業員2人が、テレビ朝日のインタビューに応じた。建屋近くの足場作業をしている。東電社員ではなく協力会社の派遣だ。派遣で500人が働いているという。
その1人は「最近まで地方都市で建設作業員だった。地方には仕事がなく、原発に来た。被曝の可能性があるから最初は悩んだが、覚悟を決めた」
もう1人は「1日3万円もらえるんなら、少しは役に立てればいいなと」
仕事に就く前に承諾書にサインした。「将来、白血病などの後遺症になっても補償はしません」という内容だったと いう。作業は防護服に、靴下を2枚はき、安全靴の上からビニー ル袋2枚。全面マスクに手袋だから暑い。でも、とるわけにはいかない。早ければ来週にも建屋に入るという。きのう(2011年5月9日)、事故後初めて1号機の建屋内に9人が入ったが、最大被曝量は10.56ミリシーベルトだった。
別の20代の作業員は汚染水貯蔵施設周辺の仕事で、1日の被曝量が3ミリシーベルトくらいだという。これが30日続くと、年間被曝量の上限250ミリシーベルトの半分になる。「3か月くらいしかいられないでしょうね」
野菜・果物食べられるが、風呂は4日に1回
1日3万円で3か月はかなりの金額にはなるが、あくまで被曝とひき換えだ。東電にしてみれば、使い捨ての感覚であろう。
羽鳥「どうにかならないですかね」
清水宏保(スケート金メダリスト)「被爆線量が本当に正しいのか」
吉原珠央(イメージコンサルタント)「東電が正しい知識を伝えているのか。事故への備えも大丈夫なのかどうか」
赤江珠緒キャスター「食事は当初はインスタント食品だったのが、最近は野菜や果物もとれるようになったそうです」
羽鳥「風呂は4日に1回ですって」
大坂でトラック運転手に応じた人が福島原発で働かされたという話も出ている。これからますます作業員の入れ替えが必要になってくる。嫌な話も出てきそうだ。