「朝ズバ!けさの顔」コーナーは中部電力の水野明久社長(57)。菅首相からの浜岡原子力発電所の全面停止要請を受け、「総理の要請は極めて重い」として9日(2011年5月)に入れを決めた。要請から3日での決断だった。
番組では浜岡原発停止に伴う生活への影響について、社長の見解を箇条書きにまとめて説明した。
(1) 電力供給は大丈夫か。「非常に厳しい。節電を呼び掛ける」
(2) 計画停電の可能性は? 「計画停電は考えていない」
(3) 電力料金は? 「現時点では値上げは考えていない」
これを見て司会のみのもんたは、「たいしたもんだね、中部電力は、と僕は思いましたよ」と感心する。計画停電や電気料金値上げ問題など、東京電力の対応が頭にあったのか、消費者への負担要請が少なからず出てくるとみていたようだ。
みのが言う。いま福島原発で懸命に作業している人たち、避難所で暮らしている人たち、お詫び行脚している東電社長…。浜岡原発で地震が起これば、もっと大変なことになる。それを思えば、「停止の判断は当然ではないか」。
経団連・米倉会長「民主党は相談してくれない」
ひたすら感心しているみのに対して、コメンテーターの萩谷麻衣子(弁護士)は、「停止という判断は英断という評価ができるとしても、もともと、どうしてそんなに危ないところに建ててしまったのか。津波対策もちゃんとしていない。経営判断が甘かったのではないか。危ないので止めるから、今度は国の支援をというのはどうか。こういう殿様商法の体質を改めていくべきだ」と厳しい。
浜岡原発停止の影響は今後のエネルギー政策や雇用など経済全体にも及ぶ。このため、菅の決断に対し説明不足ではないかという批判も残る。
「民主党時代になってわからないのは、結論だけがポロッと出てくる。思考の過程がまったくブラックボックスになっている」
経団連の米倉弘昌会長が記者会見でそう述べた。これに対し、杉尾秀哉(TBS解説・専門記者室長)は「財界の論理だ。では何か起きたときに米倉会長はどんな責任を取ってくれるのか」と切って捨てたが、どんな議論があり、どのような基準で決定にいたったのかなど説明は必要ではなかったか。
みののまとめ――。
「日本では昔から怖いものとして『地震、雷、火事、親父』」といってきったが、地震を軽く見過ぎていたのではないでしょうか」