福島第一原発の敷地内の最新映像が流れると、「いままで見たことのない映像で、かなり原発内がやられているな――」と、司会の小倉智昭は感想をもらした。
「絵」に乏しかった原発の「見たことのない映像」をもたらしたのは、独立総合研究所社長で原子力専門委員でもある青山繁晴。4月22日(2011年)に撮影したという。主にクルマで敷地内を撮影して回り、線量の少ない4号炉付近の陸側では、クルマを降りて撮影したほか、作業員の拠点である免震重要棟を訪れて、第一原発の所長と面談するなどした。
「津波後の対応遅れた人災」
「私は日本の自主エネルギーとして原発が大切だと思ってきましたから、その責任があって。原子力専門委員でもある」ことが訪問の動機だといい、先月15日も正門前まで行ったが、作業の邪魔をしてはいけないという思いで中に入らなかったという。その後、政府の人間から「原発内部はかなり落ち着いているので、一般人やジャーナリストは無理だが、専門家であれば立ち入り可能」との連絡を受け、今回の撮影が実現したそうだ。青山によれば、それまでに原発敷地内に入った「専門家」はいなかったという。
青山は原発内の光景を「悪夢そのもの」と語る一方で、「津波の威力からしたら建物は残ったほうで、その後の対応が遅れた人災」などと見解を語った。拠点のJヴィレッジを出て原発に数時間滞在し、戻るまでの放射線量は143マイクロシーベルトだったという。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト