今回の震災では、各地で大型施設の天井が落下する事故が多かった。仙台駅、水戸駅、日本科学未来館、劇場や体育館など近代的な耐震建物が多かった。建物は何ともないのに、なぜ?
2人が亡くなった東京・九段会館会館は古い建物だから、むしろ例外になる。科学未来館では、屋外に避難した人たちの目の前で大きなパネルが次々に落下する映像が残っていた。
玉井新平アナが茨城の劇場で実例を前にレポートした。茨城大学の金久保利之准教授によると、近代建築では天井のほとんどが金属製のフレームにパネルをフックで吊り下げるような造りになっている。これが地震で揺れると、 フックが変形したりパネルが側壁にぶつかったりして破損、落下するのだという。「建物本体は耐震設計になっていても、非構造部材(天井、窓ガラス、外壁)にははっきりした基準がない」(金久保利之准教授)
コスト優先で吊り天井部分が揺れないための支えがないものも多いという。
避難所の体育館まだ落下の恐れ
司会の羽鳥慎一「天井と建物は違う?」
赤江珠緒キャスター「同じですけどねぇ」
玉井が実際に落ちた天井の石膏ボードを持って来た。80センチ角くらいで、「10キロあります。こんなものが当たったらと思うとぞっとする。それに体育館などの多くは、いま避難所になっているでしょう」
東ちづる(女優)「耐震設計の建物では、外に出るより中の方が安全と専門家に教わっていたが、これ衝撃的ですよね」
赤江「ここのスタッフルームの天井もガバッとはずれました」
ひたちなか市の笠松運動公園の屋内水泳プールも、天井が落ちて2人がけがをした。ここから大西洋平アナが中継レポート。水を張ったプールには落ちた天井の部材が浸かったままになっている。地震当時、15、6人の利用者がいたが、建物は異常がなかったのに、1分くらいして天井が落ちてきた。余震で落ちた部分もあるそうだ。職員は「天井の構造は知っていたが、弱いとは思わなかった」という。建築基準法では「地震によって(天井が)脱落しないようにしなければならない」(39条)とまことにおおざっぱ。
羽鳥「いま避難所になっているところも、同じ天井の可能性はある」
東「地震で金具が開いちゃってまだ落ちない状態ということも考えられる」
これは怖い。あんな石膏ボードがまともに当たったら一巻の終わりだ。早急に点検する必要があるが、避難所の人たち、この放送を見てくれただろうか。