<生まれる(TBS系金曜よる10時)>51歳で妊娠というのにまずびっくり。いくら高齢出産が増えているといっても、51歳とはねえ。しかも自然妊娠。あの野田聖子さんだって妊娠したときは49歳で、人工授精だった。
じつは明治生まれの私のおばあちゃんも、一番下の子を産んだときは46歳か47歳だったそうだ。それを聞いて、驚いたり感心したりしたものだが、何しろ10人目だったからね(うち双子1組)。でも、今どき51歳ってどうかしら。48歳とか49歳とかなら、あるかもしれないと思えるけど。50歳を超えた設定にすることに何か意味があるのだろうか。まあ、ちゃんと医療監修がついているんだし、こういうこともあるんでしょう。
ご都合主義のストーリー展開
最初、30代後半~40代の高齢出産を経験した一般女性が何人か出てきて、自分の言葉で自然に語る。あ、これはドキュメンタリーな手法を取り入れて、高齢出産の現在を取り上げ、問題提起をするのかしらと思ったら、一転ただのホームドラマっぽくなってしまった。
中心となるのは編集アシスタントの愛実(堀北真希)。仕事で高齢出産を取り上げることになり、いろいろ調べているうちに、なんと自分の母・愛子(田中美佐子)が妊娠という羽目に。ここで高齢出産問題とホームドラマを結びつける寸法のようだ。
パン屋をやっている父(三宅裕司)は、第1回目で脳梗塞で死んでしまう。妊娠がわかったのはその後。医師をはじめ、誰がどう見ても産む状況にはない。愛子は仕方なく中絶を決意するが、最後の最後で「私にはできない」と手術室を飛び出す。
鈴木おさむお手並み拝見
これから超高齢出産をめぐる泣き笑いが始まるわけだが、ほかの子供たちもそれぞれ問題を抱えている。目の出ないデザイナーの長男・太一(大倉忠義)は、ある日、実の父親と名乗る男から自分が特別養子縁組(実の親との関係を絶つ養子縁組)による養子であることを知らされる。子供が4人とはどうも多すぎると思ったら養子だったのね。
また、いいかげんな生活を送っている大学生の次男・浩二(中島健人)は幼時に患った白血病が再発しているらしい。さらに、成績優秀な高校生の次女・美子(竹富聖花)はどうやら学校でいじめにあっているようだ。父亡き後のパン屋の経営も火の車だし。
お腹の中の赤ちゃんを中心に家族がまとまり、ハッピーエンドになるのはわかっているけど、こんなに目一杯風呂敷を広げちゃって大丈夫? 脚本(鈴木おさむ)のお手並み拝見というところだね。