人の立ち入りが禁止された福島第1原発周辺の警戒区域の現状はどうなっているのか。「スッキリ!!」が2つの動きを取り上げた。
一つは福島県警の警察官340人が原発から4.5km地点で行なった行方不明者の捜索。番組スタッフが同行した。原発の4.5km地点、海岸から数百メートルのところ。いたるところガレキの山。中には被害を免れた民家もあり、よほど急いで避難したのだろう、ベランダに干したままの洗濯物が風に揺れていた。
ガレキの山を重機を使って掘り起こし行方不明者の捜索が始まった。捜索現場に立ち会った警察庁の安藤隆春長官は「この5km圏内の光景を見ますとまったく言葉が出ない。警察の総力を挙げて捜索をやらなければいけないと強く思った次第だ」と語った。
「せめて安楽死させて欲しい」
もう一つは、警戒区域に無残に残された家畜たちの現状。民主党の2人の議員が23日(2011年4月)、視察に入り家畜たちの無残な姿を撮影した。よほど腹がすいているのだろう、人を見ると悲鳴のような鳴き声を上げて寄ってくる牛や豚の姿がそこにあった。
福島県によると、20km圏内には牛約3500頭、豚約3万頭、ニワトリ約68万羽、馬役100頭が飼育されていた。これらの家畜について、県では「弱っている家畜については所有者の同意を得たうえで殺処分する方針」という。これらの家畜は補償の対象になるのだろうが、酪農家の心情は複雑だ。
警戒区域に指定されるまで、ありったけの餌をやり続けていたという養豚業の社長は、「助けられないなら、せめて安楽死させてやって欲しい」と願う。
司会の加藤浩次「牛を育てるのに何年もかかる。ただ牛を持ってくればいいというものじゃない。酪農家の方たちはたまったものじゃないですね」と
キャスターのテリー伊藤「補償をしたとしても、飼えるあてがないんですから仕事がなくなっちゃう。仕事に対する補償も必要ですよね」