「交付金なし。もらったのは被害だけ」福島・川俣町「計画的避難」の理不尽

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「避難しながら通勤できないか」(町長)

   その川俣町の古川道郎町長が電話で訴えた。

「1か月で出て行かないといけないが、メドがたたない。みな不安でいっぱいです。家族だけでなく、動物もいるし、工場の移転もある。1か月でできるかどうか。
原発周辺地区の避難の人たちを受け入れているから、もう施設は埋まっている。われわれは遅れて避難となったので、いま行き先を探している」

   羽鳥「また、引っ越しでも障害があるそうですね」

   これはきのう(2011年4月24日)の新聞が報じたが、この地区への集配を引っ越し業者が拒否しているという。「社員の安全確保のため」というのだが、現に人が住んでいる地域へも入らないというのは、ほとんど風評被害に近い。

   町長は「政府からは何の説明もない。国は実情を確認しながら指示を出してもらわないと現地では手の打ちようがない」という。また線引きも微妙だ。「線量の低いところもあるので、避難はしても、安全を確認しながら通勤で工場を操業できないかと要望している」(町長)

   なんともきわどい綱渡りである。こうして知恵を絞っている被災地の首長にくらべ、中央の動きのなんと鈍く見えることか。足の引っ張り合いなんかしている時じゃないだろうに。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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