「交付金なし。もらったのは被害だけ」福島・川俣町「計画的避難」の理不尽

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   川俣町の町民がいう。「原発では、富岡町、双葉町、楢葉町にはいろんな交付金出てた。われわれは何の恩恵もなくてただ被害だけ」

   川俣町の一部は先週、「計画的避難区域」に指定された。福島第1原発の30キロ圏よりはるかに外なのだが、放射線量が年間積算で基準に達する恐れがあるからだ。1か月以内に避難を迫らている。その山木屋地区で玉井新平アナが聞いた。

「先祖が開いた田だから放棄するわけにはいかない」
「鶏もいることだし、生き物だからね」
「わたしは歳だからもうここにいるといったら、わがままいっちゃいけないといわれた。去るのはさびしい」

   山木屋地区には341世帯、1200人がいる。しかし、田植えも養鶏も牧畜もできないから、田園に人の姿はなかった。

避難先にはすでに原発周辺住民

   加えて、この地区の人たちが避難しようとする村内の他の地区(指定されなかった地区)には、すでに原発周辺の住民が避難してきていた。冒頭の不満はここででた。

「われわれは行くところがないんですよ。仮設なんていつできるかわからない。ただ1か月以内に移動しろと」

   玉井リポーターは隣の小綱木地区を訪ねた。指定区域ではないから田植えの準備は進んでいたが、農民(78)は「農作業にも何となく力が入らない。しょうがなくてやるような状態ですから」という。

   司会の羽鳥慎一「先祖の土地を離れたくはない。が、出て行かないといけない」

   青木理(ジャーナリスト)「原発の交付金も受けるのは原発周辺だけ。離れているとメリットもないのに、放射性物質が飛べば被害だけ受ける。これが原発事故の現実。電気を使っていたのはわれわれなんだから、われわれが支援を真剣に考えないといけない。ボクらの責任です」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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