東日本を襲った巨大地震は日本列島を一変させてしまった。いまだに続く余震はいつ収まるのか、長期化するなら備えは必要なのかなどを探った。
キャスターの森本健成は「いまだにマグニチュード7クラスの地震が東北地方を中心に起きています。このため、土砂災害も危惧されています。いったい日本列島の地下で何が起きているのか。余震はいつまで続くのか」と語って番組を始めた。3月11日から40日間で2000回以上の余震があり、その地域は東北地方のみならず、長野県や静岡県にまでおよんでいる。
潜んでいた断層が次々動き出した
遠田晋次・京都大学防災研究所准教授は「巨大地震によるプレートの急激な動きで、東北地方にはこれまでとは違う地盤を引っ張る力がかかっています。さらに、長年地震がなかった地域に潜んでいた断層も次々と動き出しています。巨大地震の影響で、長野・新潟県境などの離れた地域でも地震が相次ぎ、幅広いエリアで地震活動が活発になっていると考えられます。
今も続いている各地の地震は余震ではなく、巨大地震によって引き起こされた誘発地震と考えた方がいいでしょう」と解説した。
増える土砂崩れ、液状化現象
地震で心配されるのが土砂災害。福島県いわき市では山崩れで住宅が飲み込まれ、女子高生3人が死亡した。いわき市だけでも土砂災害の危険がある地区は約1500か所、このうちの点検済みは1割にも満たない130か所だ。
平坦な住宅地でも余震による被害が相次いでいる。原因は液状化現象で、家の土台が崩れ、電柱が傾き、道路に亀裂が走る。辻村和人記者(災害担当)は「盛り土で造成された川沿いの住宅地は危険。いま自分が住んでいる住宅地が、昔どんな土地だったのかを確認することが大切だ」と指摘する。
遠田准教授は防災ポイントとしてこんな提案をした。
「これからの地震対策には3つのことが重要。1番目が住まいの安全で、高い所に物を置かない。次が家族の安全で、どこでどう連絡を取るのか。最後が地域の安全で、地盤がどうなっているのかをチェックすることだと思います」
ナオジン
*NHKクローズアップ現代(2011年4月21日放送「多発する余震 どう備えるか」)